*見応えあり!『猿の惑星:ライジング』

猿の惑星


 前作の『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』が大変良かった! 「フライト・ゲーム」と悩んだが、久しぶりの映画館鑑賞は、こちらにすることに。
 結果大正解! すっごく見応えがあった。考えてみれば、「猿の惑星」シリーズ数々あれど、初めて映画館で観た作品になった。
 物語は「2020年代人間が作り出した猿ウイルスで、人類の90パーセントが死滅。サンフランシスコで逃げたシーザー率いる猿軍団は、驚異的な遺伝子進化を遂げ言葉を話し、火を操るまでになっていた。ある日、山中ですでに絶滅したかと思われた人と出会う。恐怖から人は銃器で1匹の猿を殺害してしまう・・・」
 
科学者ウィルに育てられ、「愛と信じること」を学んだシーザーと、常に生物実験の対象として「憎しみ」だけを学んだコバ。この2匹の猿の権力争いあり。猿ウィルスで愛する者を奪われた悲しみを猿に向ける者あり。大きすぎる父に反発する思春期猿あり。
1970年代の旧作には描ききれなかった「人間」(ん? サル?)が描かれている。そこがこの新作シリーズの良さだと思う。それまで「猿は猿を殺さない!」(逆説的に言えば、人は人を殺す生き物)と叫んでいたが、ラスト近くで「猿も人と同じだった・・・」と呟くシーンは秀逸。理想と現実の違いに気付かされるのは、いつの時代も、どんな種でも同じ、ということか・・・ できれば科学者ウィルの再出演を期待していたが、猿ウィルスにやられたのか不出場・・・でも、傷の手当で、ウィルの生家を訪れれば、ビデオに初めて言葉を覚えさせるシーンでウィルとシーザーのシーンに再会できる、そんな心憎い(しかし予想もしやすい)演出も。
 ぜひ、ご覧下さい!