*『鬼畜の家』深木章子著

今週のお題「読書の夏」

 読みながら『黒い家』(貴志祐介著)を思い出させるようなショッキングな内容だ。一方文体は『Nのために』(湊かなえ著)を感じさせる、インタビューされてる人の語り、という形で展開していく。
 保険金のために次々と人を殺めていく話が続く。(ここまでやるか)と思うが、世の中には結構な確率でこういう人が多い。
 内容がショッキングなだけに、まんまと作者のミスリードの術中にはまる。そもそも、末娘がなぜに私立探偵を雇ったんだか謎が生まれるが、まぁ「ちっちゃいことは気にしない」ようにしよう(byゆってぃ)。
 先がどうなるのか頁をめくる手が止まらない、それが面白い本の定義だとすれば、すっごく面白い本だ。これを年配の女性が書いたとは・・・仕事上こういうケースがあってインスパイアされたのかもしれない。
 読書の夏休み(ってか、教員が安易に読書感想文の宿題を出す夏)だ。こういう本の感想文じゃ、だめなんだろうか? そもそも小中学校の図書室にこういうの置いてあるんだろうか? 是非、置いて欲しいぞ! 良書も悪書も色んな物が置いてあるのが、正しい民主主義のあり方だ。昔「谷崎潤一郎」ものなぞ、平気な顔して図書室に置いてあったものだ。(そして誰にも借りられず赤っちゃけていったが) 彼の「痴人の愛」や「卍」などをよんで、若者よ、もっこりさせてなさい(笑)

鬼畜の家 (講談社文庫)

鬼畜の家 (講談社文庫)