*『神の街の殺人』(T.H.クック)

今回の原題は「Tabernacle」訳すと幕屋とか礼拝所って出てくる。舞台は「ソルトレイクシティ」だ。そうあのモルモン教で有名な。metooはNBA、ユタジャズ(マローンとストックトンで一時代を築いた)が一番ピンと来る。確かプレーオフ準決勝で、ジャズ対チャールズ・バークレー率いるフェニックスサンズだったか。(いや、決勝でブルズと対戦、語ったのはデニス・ロドマンだったか・・・記憶は曖昧だ) 対戦後対戦相手の勝利インタビューで、「これで今日のモルモン教徒の祝のパレードは無しだ!」みたいなことを言ってたんだ。
 日本人からすると、どの宗派の違いも分からない。特にモルモン教って何がなんやら。そもそもアメリカでは迫害の対象なのか? 本作を読んでいるとその雰囲気が伝わってくる。創始者の一人、ブリガム・ヤングが迫害を逃れ辿り着いたのが、グレート・ベースン=すなわち巨大な盆地にある、ソルトレークシティなんだ。そこは神の街の称号に相応しく「犯罪」とは殆ど無縁の街。
 そこで怪しい殺人が起こり、やがて連続殺人となっていく。事件を担当したのは、モルモン教会員でないニューヨークから移ってきた刑事。周囲から浮いたその刑事の、誠実かつ執念深い捜査で、やがて事件の真相に辿り着く・・・さあ、エンディングは?
 そのエンディング、まさかの展開。え? そうなるの? ・・・このラストの展開だけは読めませんでした。本作一番の収穫はソルトレイクシティの知識でしょうかねぇ。

神の街の殺人 (文春文庫)

神の街の殺人 (文春文庫)