*不思議な・・・『シー・オブ・ラブ』

 アル・パチーノに敬意を表してこのわけの分からないタイトルの映画を観た。昔のアイドルがアラン・ドロンと同じくらいリスペクトした曲があるくらいだ。ただ、当時それほど人気があったのかな・・・?
 シー・オブ・ラブって、「愛の海」なのかな。なんだそりゃ、って観ていたら殺人事件現場に流れるムード歌謡のようなオールディーズ。metooが知らないだけで有名な曲なのかも知れない。連続殺人事件を追うアルパチーノが、犯人(かも知れない)と恋仲に落ちる。しかし本当に犯人臭い(まあ、そういう演出だ)。銃で背後から脳天に一発の危険を覚悟しながら濃厚なセックスに耽る(ありゃりゃ)。
 しっかしパチーノの神髄は、名作『狼たちの午後』に代表される狂気だ。だから基本彼の出る映画は、何か少し壊れている(笑)。本作では女房に逃げられ、しかも再婚相手が同じ署の同僚っていう設定。そんな設定あるか−?
 突っ込み所満載で、この映画はもしかしてラブコメ?とも思えなくも無いが、やはりこれはシリアスな(ラブストーリーを散りばめた)、粋なサスペンスなのだ(ややっこしい)。
彼女は犯人なのか? パチーノは仕事よりも恋優先にするのか? 殺されるのか? ここまでミスリードっぽくしているのだから犯人は他にいるのか? で結局、絶対に父親になれそうも無いこの狂気をはらんだ男が家庭に収まることができるのか? 
 ミドルエイジで離婚を経験したような人が観ると、とてもよくできた話だと感心するのかな。若者、特にティーンじゃ話にならないだろう。年輪を重ねたら観ましょう。1.2倍速あたりで観ると丁度良いと思われます。