*さすがアカデミー賞受賞作品「夜の大捜査線」

アカデミー作品賞や助演男優賞等受賞ってのは知っていた。主演のシドニー・ポワチエという名も(しかし一度も観たことが無い)。いつか機会があれば、と思いながら今回が初見。
 原題は「IN THE HEAT OF THE NIGHT」。これが「夜の大捜査線」かぁ。しかし別に夜中に大捜査線網を敷いているわけでもない。それよりも差別が残る南部での、黒人敏腕刑事ヴァージル(シドニー・ポワチエ)が、地元警察署長ビル(ロッド・スタイガー)から疎まれながら、事件解決に導く(社会派)ストーリー。
フィラデルフィアで一番の腕利きだけあって、科学的・論理的に事件解決に向かい、地元田舎警察官を(ほぉー)と唸らせるものの、それでも黒人は黒人。ほんの5〜60年前のアメリカでこんなに差別が残っていたなんて、衝撃的。今ではウィル・スミス始め、名だたる黒人俳優が活躍しているけれど、シドニー・ポワチエが一番の先駆者だったんだんね。
 観ていて監督がノーマン・ジュイソンと知る。懐かしいな。70年代でしょうか、「ジーザス・クライスト・スーパースター」とか「スーパーボール」、「華麗なる賭け」、後には「月の輝く夜に」(これは観ていない)が有名だった。こんなところで活躍していたんだ。一時代を築いたね。
 この作品では偏屈ものの警察署長ビルを演じたスタイガーがアカデミー賞を獲ったんだけれど、最初はどこが良いのか分からない。終盤、ヴァージルの「サムは犯人じゃ無い。死体は車で運ばれた。サムは一度に二台の車を運転できない」このセリフで自分の考えが間違っていることにビルが気付いてから、ヴァージルを見る目が変わり、二人の間に友情らしきものが芽生えだした頃からが良かったね。
ググればこれ続編もそのまた続編もあるんだね。ヒットしたら2作目・3作目のいつものパターン。怖いけれど機会があったら地雷を踏んでみよう。