*『ヘイル、シ−ザ−』

コーエン兄弟監督作品で、出演はジョシュ・ブローリンジョージ・クルーニーチャニング・テイタムスカーレット・ヨハンソンら超豪華。なのにあまり話題にならず、WOWOWでも「W座」上映。これは何かいやな予感。そして小山薫堂の冒頭の詩が「無知の知」。有名なフレ−ズだが、内容は分かるような分からないような・・・
 日曜の夜から見始めるのは翌日の出勤を考えると少し無謀。・・・そして半分過ぎたところで、眠い眠い。睡魔に襲われ半分残して翌日に。
 超大作映画の撮影中に大スターが誘拐され、そこにコミュニズムや、「ザッツエンタテイメント」ばりの、女優のミュ−ジカルシ−ン(その女優をスカーレット・ヨハンソンが往年の女優ばりに演技する)、カウボ−イ役なら天下一品の大根役者など、様々な要素をふんだんに散りばめている。きっと1950年代を知っている往年のファンには、たまらない作品になっているのだろう。テイストは全然違うけれど、トリュフォーの「映画に愛をこめて アメリカの夜」を思い出す。コーエン兄弟も思いっきりの映画愛をこの作品にぶつけたんじゃ無いか(興行収入などは端っから無視して)。
 見終わった感想は、小山薫堂と全く同じ。「どう理解していいのか分からない」。見終わって作品に合う詩を依頼されてもこりゃあ厳しい。ついつい「無知の知」のようなタイトルで、言葉遊びをしちゃう気持ちも、まぁ分かる。そういう作品なのだ。キリストが出てくるシ−ンを巡って、関係4宗派とプロデューサーが「問題ないか?」と詰めていくシ−ンなど大いなる茶番で、ここを笑えるか(日本人の知性と感性だと決して笑えない)どうかで評価が変わるのじゃ無いか。思えば、ソ連の潜水艦浮上のシ−ンだって可笑しい。でも真面目に観ちゃうんだよな、日本人は。