*『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子

 少し前、売れた記憶がある。しかし後味が悪く「イヤミス」とも呼ばれ、読まない方が良いんじゃ無い? と言われていて今まで読まなかった。
 だが毒がある方が面白いのは事実で、読み始めたら睡眠時間を削って読んでいた。15人は殺した極悪非道な女の話だ。読んでていていたたまれる。こんな家庭は嫌だ。そんなのばかり出てくる。最後もカタストロフィ。はぁ、とため息付いたあたりから、真梨幸子からのとどめの一撃が来る。これは予想外。多摩美出身者はユーミンや、喜国雅彦らちょっと違う方向でとんがった人ばかりだ。
 この話は50万部を超えるヒット作なので、続編もできているらしい。二匹目のドジョウに、自らなるのは悔しいが、読んでみたい。売っていたら迷わず買おう。

 

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)