*『否定と肯定』

 

 

 何じゃ? この哲学的なタイトルは? 誰がこのタイトルで映画館に足を運ぶ? 配給会社どうした、頑張れよ! 
 そもそも日本で人気の無い「法廷もの」。metooはちなみに大好物なのだ。小学生の頃ペリー・メイスンやたら読んでいたせいか?

 法廷もので、「いやぁー、小生頑張ったのですが、結果は,、いやはや残念でござった!」なんて作品には出合ったことがないので、「勝訴」は最初から分かっているので、そこまでに至る上り坂下り坂が見せ場である。
 物語は「ホロコースト」なんてなかった!と言う英歴史学者と、それに真っ向から反論する米ユダヤ系歴史大学教授(レイチェル・ワイズ)の名誉をかけての戦い。レイチェルが著書の中で英歴史学者を侮辱したと英で訴えられる。なぜ英でかというと、米では訴えた方が証拠を集めるのに対し、英では訴えられた方が証拠を集めるから。日本人から見ると米英大差ないように思えるが、色々違うのね。
 何よりレイチェル! 「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」ですごい魅力を感じたが、彼女、ケンブリッジ大学卒の才女なんだ。007(D・クレイグ)と結婚してからあまり見てなかったので、嬉しかったよ。鋭い目つきは変わっていなかったが、しっかりおばさんになっていた・・・と言っちゃあ悪いか。人はこんな感じで年齢を重ねるんだなぁ。

 「ホロコースト無かった」、なんて言う人いるんだぁ。ドイツ人のネオナチの方だけで無く、米英にも多分にいる。劇中の歴史学者は、バトル・オブ・ブリテンで、爆撃されていてもヒトラー信奉者だったと。ヒトラーって言う人はつくづくスゴイ。
 思えばトランプの頃にもフェイクニュースを信じる人はゴマンといた。コロナワクチン打つと、体内にマイクロチップが入ると信じている人も日本ゴマンといる。信じるバカもんは、言っちゃあ何だが、もう仕方ない。ただ最初に言い始めた奴は間違いなく悪意があるよな。

 「何であんなに優秀なドイツ民族が、ヒトラーに踊らされて、ホロコーストのようなひどい仕打ちができたのだろうか?」 その辺をしっかり歴史認識しておかないと、人類は同じ過ちをまた繰り返してしまうだろう。だって歴史は繰り返しているから。しかも超拡大再生産で。