*『ブレット・トレイン』

 今夏北海道旅の読書に選んだ「マリアビートル」伊坂幸太郎著の映画化。伊坂ワールドがハリウッドでどう脚色されるのか、いささか不安でもあったが、ブラッドピットにサンドラブロックも出てくるんじゃ、観るしか無い!

 この映画を気に入るかどうかは、現実離れした「日本」を馴染めるかどうかじゃない? 新幹線ホームに、飲食店やコインロッカー。流れる車窓は山手線のように遅い。京都直前になって見えてくる冨士山。米原あたりで空が白く明けてきて、この新幹線は夜行列車だったと分かる。もしかすると日本人の中にも、「新幹線に夜行列車は無い」、というのを知らない人も多いんじゃ無いか(狭い日本で、住宅街真夜中を突っ走ったら大変な事に・・・)(だけど実際、速度半分で良いから真夜中にも走ってくれたなら、青森や神戸に早朝着いて、朝1で行動可能! なんてすごく魅力的に思うのだが・・・検討してくれ。JR!)
 列車内は客が誰も来ないバーカウンターのある専用カーがあったり、1本1000円の炭酸水を売る売り子さんがいたり、こちらも別世界。日本の新幹線と似ているのは16両編成くらいかな。
 この世界観がOKなら、十分楽しめる。劇中「ディーゼル」と見破られる「王子」は、いろいろな面で改変されていたが、複雑な人間関係も、なぜこの列車に勢揃いなのかも、後半にすべて回収される。そういう意味では小説よりも親切だ。(良い味出している、おばあさんは登場しない)ファイナルはハリウッドらしい大金をかけている。
 周囲のブラピのベテランファンと思われるオバサマ達が、ブラピの危ないシーンやコメディシーンに著しく反応していたのが(最近の映画としては)新鮮だった。まぁ許す。


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