*『QED ベイカー街の問題』高田崇史著

   『QED 六歌仙の暗号』が1999年だから、20世紀末に読んだのか。なぜか私には「メンター」みたいな人がその時々にいて、「読みな!」と渡されたのが『QED 六歌仙の暗号』だったのだ。なるほど、そういう視点もあるのか。トリヴィア好きな私には目からうろこの作品だった。そして20年以上が経ち・・・
 病院の待ち時間に読む本を探しに、BOOKOFFで100円コーナーを探していたら、このQEDシリーズがあった。(懐かしス) 記憶では主人公崇が日本の民俗学に潜む小さな疵を解明していく、そんな話だったかと思うが、「ベイカー街!?」。シャーロック・ホームズかぁ。
 違和感持ちながら読み進めば、シャーロキアン集まる横浜のクラブで起きる殺人事件。例に漏れず連続殺人。次の被害者はクラブの会長。崇の推理は殺人犯に辿り着けるのか? そもそもホームズシリーズを崇が読んで知っているのか?
 するとラストに向けてとんでもない推理が(但しシャーロキアンによれば、その説は既にあるとか)バンバン出てくる。多くのシャーロキアンに叱られないのか心配だぞ、高田崇史。発刊当時はどうだったのか、評価を(今さら)知りたい。