*『幕末維新人物夜話』(福田嘉文著)

 もらい本で(時間ができたら読みますね)とか言っておいてウソばっか、やっと読んだ。面白かったですね。幕末は好きな人と全く興味持たない人とに分かれると思うけれど、興味を持てば奥が深い(しかしそれを語り合えるのは同好の士だけだ。鉄道の話やヤマの話に共通するようにも思う)。
 明治の三傑と呼ばれる(西郷・大久保・木戸)だが、その能力が一番高いだろうに、1番人気の無い大久保利通の理由がよく分かる。ちなみにこの本の表紙は小栗上野介の慰霊碑なんだが、小栗上野介って誰? って人が大部分だと思う。だって日本史の教科書に出てこないから。そしてなぜこの人が出てこないかというと、官軍側の人間ではなく幕府方の人間だから。よくもまぁこれだけスケールがデカイ人がいたかとビックリするのだが、ほぼ無実の罪で斬首されている。「明治革命」、で一体どれだけ優秀な人間が殺されたのだろう。
 江藤新平も通り一遍のことしか知らないけれど、あれだけ法整備を整えた人だ。この人も大久保の私刑のような形で晒し首の憂き目に遭っている。夏休みには改めて司馬遼太郎の『歳月』でも読んでみようか。『峠』も未読なのでどちらにしようか迷っているんだけれども。