*『燃えよ剣』

 先日『峠』を観たので、今『峠』上巻を読んでいる。読めばそこは司馬ワールド。懐かしさを感じながらも、読む度に未読作品残りが少なくなっていくのが、切ない。
 読んでみて、なぜに2時間しか無い映画の中に、わざわざ夫婦で芸者をあげに行くシーンを入れ込んだのか分からないでも無い(でもやっぱり不要では?)。
 『関ヶ原』で主役を演じた岡田准一が、今回も主役・土方歳三を演じる(バラガキ、を演じるには薹が立ちすぎているのでは・・・?)。殺陣が上手、ってのは何かと便利だ。興行的には、令和に時代劇がペイできるかは不明だが、たまには時代劇も良いぞ。
 さて映画はよくできていた。長編作「燃えよ剣」のどこを切り取るのかと思ったが、全編を上手にテキパキと取り込んでいた。妙にフィクションの女性を入れ込んで、あわよくば女性観客を取り込もうという、悪い癖が邦画にはありがちだが、殆どそういうこともなく、ラブシーンも1回だけ。男の生き様、新撰組内部の権力争いや男の友情を描いており、とても好感が持てた。時代劇はこうあってほしい。
 芹沢鴨、NHKでは佐藤浩市、今回は伊藤英明が演じていたが、どちらも彼の狂気さがでていた。沖田総司を演じた山田涼介、まぁいいか。彼の愛らしさ・人なつっこさは良かったんじゃないかな。