鉄道は見るのも計画するのも好きだが、乗っているときが一番楽しい。できることなら子どものように、先頭に立って過ぎゆく景色をずっと眺めていたい。恥ずかしくてできないけれど。
久留里線が意外と難敵で千葉県唯一のJR未乗車区間なのだ。(友人Yに訊いたらやはり未乗車だった)
1.終点上総亀山までいく列車が少ない。
2.例えば6:30の始発、次の7:30に乗るのも東京からだと相当早起きしないといけない。
そこで某テレ東のひと昔前の人気番組「日本全国バス旅、(と見せかけて峠をひたすら歩く徒歩旅)」を参考に、こんな旅を計画した。
1.朝4時起床、高速・アクアライン使って木更津へ
2.そこから6:30の始発で7:30上総亀山へ
3.「小湊鐵道」の上総中野発10:30に間に合うよう、13.6kmを3時間で歩く
4.五井からは、内房線で木更津に戻り、バイクでアクアライン使って帰宅
高い金だして東京湾横断して、千葉のワインディング楽しまない、海鮮食べない・・・という鉄道馬鹿の旅だ。ちなみに木更津駅前に大型バイクを駐車できる駐車場はない!
久留里線のD.C.E130系。おしゃれだしパワーがありそう。沿線は、こんなにあるのか?と思うほどの田園地帯。千葉米とかあるとしたら佐原周辺かと思っていた。木更津の次がいきなり「祇園」でびっくりした。すごく寂れた駅だった。
旧木原線は、木更津~大原間を結ぶ予定のネーミングだったが、木原線が三セクで「いすみ鉄道」になったのに、久留里線が生き残っているのがよくわからない。上総亀山駅前はローカル駅にありがちな、何もない駅だった。ここから徒歩3時間かかる上総中野に間に合うのか不安。鉄ちゃんにありがちな、列車写真撮って、出発までに15分無駄に消費。仕方なく下り道では何度も走った。
千葉ってさあ、緩やかなアップダウンが多いんだよね。いっそ平らにしてほしいと願ったよ。万が一タクシーが走っていたら絶対捕まえるぞ!と車をガン見していたが、1台も走ってないね・・・。
峠を越えたところでバス停発見! 「バス旅」の出演者よろしく、時刻表を隠し、期待し、そして絶望感を味わった(それがこれ)。
結局歩ききったよ。2時間半をちょっとばかり切って。
久しぶりに来た上総中野は、前回の桜のシーンから一変、コスモスが美しかった。昭和30年代製造のD.C.は坂道ではうなり声をあげながら登っていく。車内の揺れも激しく長い吊り輪が一斉にブランコする光景も、最近忘れていたね。地方弱小私鉄のレールの歪みってハンパないよね? なんとかしなくてホントに大丈夫!? 車窓前半は伸びた草木が線路まで迫っていて、銚子電鉄を彷彿させる。それってつまりローカル色豊かでmetoo好み、ってことだ。後半はまっすぐな鉄路が多く、千葉らしくなかった。
海鮮丼を食べるでもなく、ドリンクも持参したのに今回の乗り潰しに1万円くらいかかった。乗り潰しのためだけには、少しもったいない日だった。バイクに跨がった時点では10回裏、ドジャースが負けているけどランナー1・2塁で1チャンあるかも、っていう時点だった。(その後劇的さよなら満塁ホームラン!)