*『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

グレース・ケリーって言われてピンとこない。ヒッチコックの『ダイヤルMを廻せ!』や『裏窓』で観ている筈なんだけれど記憶にない。戦後の一時期、ハリウッドを賑わせたM・モンローと共に一時代を築いたらしい。モンローと違い「Cool Beauty」と言われてたと。なるほど往時の写真を見るとモナコ大公がフォーリンラブになったのもむべなるかなー。でも我々の時代で「Cool Beauty」と言ったら、トリノで金メダル取った荒川静香だろう。
 で、その美女を誰が演じるのかって話だが、こちらも美人でアカデミー女優N・キッドマン。キャスティングは文句ないでしょー、って言いたいところだが何か違う。『マリリン 7日間の恋』でM・モンロー演じたミシェル・ウィリアムズがモンローに見えなくもないのに対し、ニコールはどっから見てもニコールなんだ。あまりに美しすぎて個性が光っちゃうんだろうか。
 そうなるともう、ヒッチコックのそっくりさんや、ド・ゴールは似ているんだろうかとか、暗殺未遂ってジャッカルのことだろうかなんて、本筋よりもニコールの事ばかり気になっちゃう。いや、なかなか面白いんだよ。実話に基づいた脚本。大公の実姉が裏切っているとか、その旦那が(あぁー見た顔なのに名前がー)有名な役者さんだよねとかもあるんだけれど。
 どれくらいヒットしたか分からないけれど、予想よりももう少しヒット上乗せでも良い良作なんだよー。是非日本にもよく知られた小国モナコ。その割に殆ど知らないモナコ。劇場で見なくてゴメンね、GAGAの社員の皆さん。