*『ワールド・オブ・ライズ』

 リドリー・スコット監督で、レオ様にラッセル・クロウが出ているので、封切時注目していたのに数ヶ月経ってしまうと忘れてしまう映画がある。その日の番組表で出演者を見て、ようやく予約録画をしたほどで。
 ずいぶんと骨太なテロとの戦いを描いた情報戦映画である。リアリティもある。ワシントン・ポスト紙のデヴィッド・イグネイシャスの原作だと言う。硬派でしっかりした内容なのはそのせいか。
 だが数日経つと内容を忘れかけている。映画が薄いのか、アルツが進行しているのか、どっちだ。レオ様はいつからレオ様でなくなってしまったのか。ラッセル・クロウ、悪くは無いがアカデミー賞を取った頃が懐かしい。一番かっけー役(ヨルダン情報局のハニ・サラーム)を演じたマーク・ストロング、あんなにカッコよかったっけ。
 原題は『BODY OF LIES』。ちょっとそれじゃあ分からないから『ワールド・オブ・ライズ』にしたのか。「ニセ・真実を伝えない・裏切り」などがこの映画の大きなテーマで、ラッセル・クロウ演じるCIA上層部が、「アメリカ=ウソ」を「正義」の名の下に実行し続けるのが(特に我が子とのふれあいや買い物など日常を描きながら)皮肉。ヨルダン情報局のハニ・サラームも、「ウソは嫌い」と言いながら、大きなウソを1つ実行している。要は全てがウソ、ってことなのかな。