*『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

2017新書大賞受賞作品。「買ってはいけない」などが過去ヒットしているなか、著者橘玲は「貧乏はお金持ち」「幸福の「資本」論」「国家破産はこわくない 」など書いているが、それよりは、私みたいに「手に取る」(・・・リアル本屋では、この「手に取る」行為がないと、絶対に本は売れない)タイトルなんだと思う。
 面白いよ。深く考えなければ、(あ−そうですね−、著者の言うとおりですね−)と納得することばかりである。(実際デ−タを出しながら、「・・・ということは、つまり○○なのである」と書いてあっても、他のパタ−ンだって考えられるわけである)
美人とブスの「美貌格差」は生涯で約3600万円もある、と言われればそうかも知れない。しかし結構生涯賃金等は正確性に欠くのではないか?
 努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外ではなく、「細面の顔は、四角い顔の犯罪者に殺される確率が高い」と言われたら、(あぁなるほど、そうかもね)とは思うが、それでもやはり(全てがそうじゃないよね。銃社会の国と日本ではそもそも違うし)と反論しきりである。
 でも面白いんだよ。面白い、と言うことが憚られる現在の日本なのではあるが。だって不細工な小学生の女の子に、「あんた将来絶対3600万円損するから!」なんて言えない。
普通の人はあまり、裏社会と関わりを持たないので、「遺伝より環境でしょ、やっぱ」なんて言えるが、「血」とか「DNA」とかはそりゃあ凄まじいのである。でもそれは言ってはいけないのだが。