*『終末のフール』(伊坂幸太郎)

 「8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡する」と予言されてから5年後の日本を描くSF(?)小説。そう言えば、同氏が映画化もされた「フィッシュストーリー」の中で〔1982年 彗星の衝突まであと30年〕っていうような設定で、しかもこの彗星を破壊し地球を救う・・・確かあの映画にもビデオ屋さんが出てこなかったっけ?(それとも中古レコード屋だったか?)
 そんなわけでこの作品も、超人が出てきて地球を救うのか?と思いながら読み進む。例のごとく「終末のフール」「冬眠のガール」「天体のヨール」のように、人をなめた章が続く。1話完結でありながら全体としても話がまとまっているのは、氏の得意とするところ。読み終わり、今から10年以上前に出た初版本と気付く。1400円+TAX。姉は書物には金をかけるべき、という信条の人だったな。

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)