アイディアは、人間なら誰でも思うようなこと−死んだら魂となって舞い戻ってくる・できることなら語りかけたり、場合によっては呪い殺したり−そんな話だ。とりわけて良い話や、これだと思わせるような良いフレーズもない。
そんな中、序盤を過ぎたあたりで「知ることは一方通行。ある事実を知ってしまうと、知らないでいる状態には決して戻れない」と、霊魂になった先輩が教授するシーンがある。うん確かにそうだ。一方通行か、良い事をいうな、と。
そして終盤、自分の「死の瞬間」を確かめるときに「知らないでいる方が良い」と本能が語りかけるのに、それでも知らずにはいられない自分が、先のセリフを思い出すシーンがあって驚いた。このフレーズが大きなテーマの一つになっているのかも知れない。
このTVで良く見るイケメン作家の作品を初めて読んだ。これから先縁があるだろうか?
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/05/16
- メディア: 単行本
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