今さらの処女作を読む。コナン君ならこの謎は解けただろうか...? 読み返せばあちらこちらに手がかりは落ちている。もちろん、「犯人はこの中にいる!」いきなり第三者が出てくるような卑怯な真似はない。
「時効まで24時間」「15年前のできごと」さらに捜査の過程で「あり得ない状況」が次々と出てくる。こんな謎は解けないだろ? の思いでドンドン読み進む。
一方で急転直下の謎解き編では、多少の「ご都合主義」は否めない。その辺が横山秀夫をしても「若い」と言わざるを得ないか。が、この辺をさっ引いても全体の面白さを損ねることはない。また捜査本部で大胆な発想で謎に迫る美人婦警・秋間幸子の存在も良い。一体なぜに彼女はこの捜査会議に参加しているのか? 横山秀夫の緻密な糸が終末に向かい、見事に解きほどかれていく。
なるほど、「クライマーズ・ハイ」を読んだときに、これだけ「男」を読ませる作家がいるのかと驚いたものだが、出世作からしてこの実力なのかと舌を巻いた。この作品でWOWOWで、2008年に上川隆也を刑事溝呂木義人において映像化しているという。あぁもう1回やってくれないかな・・・?
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/05/20
- メディア: 新書
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (91件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2009/01/01
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (15件) を見る