R・レッドフォードがメガホンを初めて取った第1回監督作品はアカデミーいきなり作品賞受賞した「普通の人々」。
おそらく普通なら二度見はしない作品だが、wowowのおかげで観ることができた。リバイバルがほとんど無くなった時代に、なんか1人感慨に浸る。内容は以下の通りだ(出典はヤフー映画)
「平穏な日常生活を送っていた家族4人の家庭に、長男の事故死、続いて次男の自殺未遂という事件が起こる。この出来事を契機として、愛情と信頼によって固く結ばれていた筈の一家が、激しく揺り動かされ、目に見えない緊張が家の中を支配していく。そして映画は、3人がそれぞれの苦悩を抱えて噛み合わない歯車のようになったお互いの関係に直面する様子を描いてゆく」
もう32年も前の映画なもんだから、繊細な少年ティモシー・ハットンが、その後「ゴーストライター」とかで出ていた人と同じと気付かなかった! 一方父親役は(昔この人よく見たけど、今はどうしているんだろう?)と思ったらドナルド・サザーランドじゃん!? すっごく観ている!「ATOM」でも「プライドと偏見」でも「ロード・オブ・ウォー」でも・・・・
さて、アメリカ家庭崩壊が普通に描かれているのを意識したのは、やはりアカデミー作品賞受賞「アメリカン・ビューティー」だったんだけれど、本作はそのハシリ、だろうか・・・・? できの良かった兄ばかり可愛がり、弟には冷たくあたる母親。一方父親は一生懸命家庭をつなぎ止めようとする。そこが後の映画と一線を画する。精神的に危うい弟コンラッドが、友人の自殺でボロボロになったことで、逆に精神科医と心開け友情で結ばれる。穏やかに回復していく中で、母親に抱きついたときに見せる母親のとまどいがきっかけとなって、父親の今までの苦労や理想が崩壊していくシーンは秀逸である。このシーンこそがレッドフォード監督の真骨頂なんだと思う。
ビジネスよりも良心を大事にする監督。サンダンス映画祭などで後進を育てていく姿にも拍手を贈りたい。但し、この作品が今の人に興行的に受けるかは疑問ではあるが。
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