*さよなら妖精(米澤穂信著)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

「限定洋菓子シリーズ」を読んでたせいか(米澤穂信)にこだわっている(笑)
解説に氏の作品では「さよなら妖精」が一番!のような記述があったので読んで見る。ちょっとだけ、ユーゴスラビアサラエボとか・・・・(^_^;))には詳しいんだ!
若い人にはわからないと思うが、サラエボに冬季五輪が開かれたこと・そのメインスタジアムが、内戦で死んだ人の墓で覆い尽くされたこと・異なる人種と言うだけで、少し前まで同じ共和国連邦の同胞だった者たちが、女子どもを問わず、狙撃されたり虐殺されていたことを。
 語学に本当に堪能(というより天才的な)人を知っている。だから主人公の一人マーヤが17歳で日本語をけっこう話すのも不思議では無い。タイトルが「さよなら・・・・」なので、エンドがトラジディーで無いことを祈りながら読み続けた。
こういう小説からでもいいから、自分たちの住んでいる国以外のことにも気をかけてくれるといいなって思う。
マーヤが本当にそばで微笑んでくれている、そんな肌の温もりさえ感じられる作品でした。