- 作者: 陳舜臣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1973/09/15
- メディア: 文庫
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ではなぜに「眠れる獅子:清」はかくもこう弱かったのか・・・? 奸佞な軍機卿が出てくる。独裁的な皇帝もいる。独裁国家はやはりだめになる傾向なのか・・・? 否、軍国主義に走った帝国日本も似たようなもんだろう。
日本と違い、民族問題があろうか。清は満州族による征服国家である。少数の満州族が大多数の漢族を制圧していた。それゆえ、清は対英で1つになっていなかった。そういう描写が非常に多い。そしてまた、足の引っ張り合いはするわ、兵力の小出しをするわ、敗れるべくして敗れたという印象だ。 大作にふさわしく登場人物が多い。林則徐など主要な実在の人物を押しのけて、フィクションで連維材なる豪商を主人公に置いている。(読後にあとがきで知る) 日本の作品だと、誰と誰が実在して、誰がフィクションか分かりやすいのだが、(特に聞き慣れない中国語名だから)この作品はわかりにくい。
この屈辱的な敗戦により、中国は大きな時代変遷をとげる。とは、いうものの復活を遂げるまでに140年以上かかったことになる。大きな代償だ。そして今日、「中華思想」が再び頭をもたげてきている。歴史は、どのように繰り返すのだろうか・・・