*雰囲気が『グランド・ブダペスト・ホテル』

『グランド・ブダペスト・ホテル


まずは観客の客層がやや高め。レイトショーでもそこそこの入りで、(映画館に来たー)って雰囲気が良い。
 ブダペスト、というからチェコあたりの話かと思えば、架空の国。軍靴の足音が聞こえてくる時代設定で、ナチスのSSを想起させるシンボルマークも出てくる。まずその辺(つまりは大人のメルヘンだと)を最初に押さえておかないと、「ラストが平凡でつまらない」「サスペンスがハンパ」「ギャグが笑えない」と言う声が聞こえてきそう。
 コンシェルジェが老婆と関係を持つ・・・? などの疑問は置いておこう。繰り返すがそういう映画じゃ無い。イギリス(ドイツと合作)映画らしいテイストなんだ。こういう映画は見ている観客も含めて雰囲気を作るのが正しい見方だろう。
 エンドクレジット流れる映画音楽もコザック調で(実際右隅にコザック風のアニメが踊っていて)最後まで楽しい。こういう映画を映画館で楽しめるのはプチ贅沢な感じがして好きだな。