*『光』三浦しをん


全国紙の夕刊だったか、王様のブランチだったかで若い女優が一押しに選んだのがこれ。三浦しをんと言えば『舟を編む』だとか『まほろ駅前』が有名で、あぁあのノリかぁと思って図書館にいけば、もう古い作品なのに貸し出し中。ええぃ面倒くさい。本屋で求めたぞ。
 三浦しをんらしからぬフレーズが多いことに驚く。それともこんな感じだったか。しばらくぶりの三浦しをんだからなぁ。でも津波被害やその後の生存者の捜索だとかには雑味やご都合主義がごろごろしている。『臨場』や『科捜研の女』がきたらイチコロのようにも思う。
 南武線だとか武蔵小杉、湾岸沿いの川崎の安アパートなど、見たことある人なら「あるある」の景色だ。映像化したらもっと訴求力があるだろう、などと思っていれば、映画化されているんだね。主人公黒川輔に瑛太長谷川京子が篠浦未喜、橋本マナミが黒川南海子、黒川輔のダメ親父に平田満。うん、平田満は適役かも。
 前半の一部を除き舞台は川崎の安アパート。そこに主人公の奥さんが不倫、主人公は友を尋ねたり、彼のための穴を掘ったり、しょっちゅう出入りしているので、そりゃああんた事件後は捜査線上にあがるぞ、どこかの防犯Vでご用だぜ、って感じなのだ。でも面白かったよ。この前に読んでいた『大いなる遺産』より何十倍も速く読めたよ。映画も観てみたいな。

 

光 (集英社文庫)

光 (集英社文庫)

 

 

 

光

  • 発売日: 2018/05/02
  • メディア: Prime Video