『告白』とか『贖罪』『少女』のような漢字2文字の作品にインパクトがある作家(あ、『Nのために』とか全然違うか!)。
何はともあれ、映像化も含めて旬な作家だ。最近読んだ『Nのために』などに見られる独特の語り口が、この『境遇』にも見られる。とりあえず読み始めると、とりまゴールを目指して(完走)するきらいのあるmetoo。な〜んか違和感抱えてる。一気に読み上げられる作品なので、読後にその違和感を理解する。
例えば、割と誘拐犯がわかる仕組み(そりゃあ作者がそうリードしているからなんだが)。
例えば、ラストのどんでん返しも何となく予想が付くこと。
主人公の陽子さんがあまりに良い人で、もうリアリティが全然無いこと。
TVドラマ化先にありで、プロデューサーとストーリーを作り上げたと、解説にあったが、きっとそのせいなんだろう。じっくりと構想を練って、満を持して書き上げるのが彼女の持ち味なんじゃ無いか?知らないけど(笑)
ところでまさかまさかなのが「あおぞらリボン」と言う名の絵本が最後につくとはビックリした! 作家なら絵本を書いてみたい、そんな欲望があるのだろう。これはこれで良かった。冒頭にあってもいいくらいだ。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2015/10/15
- メディア: 文庫
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