久々に伊坂幸太郎の新作を読む。短編集で『逆ソクラテス』や『スロウではない』・『非オプティマス』・『アンスポーツマンライクファウル』などが収録、全て否定の単語がタイトルになっている。
学級内にあるいわれなき、学級カーストに悩む大部分の生徒に是非読んで欲しい作品だ。そしてまた只単に「足が少し速い」くらいで学級カーストの上位にいて、他の面々を意味も無く攻撃して当たり前の顔をしている一部のバカどもにも、主人公らの思いが届けば良いと思う(けれど、そういう連中って、勉強とか読書とかを馬鹿にしてホントに読書しないからナァ・・・届かないんだろうなぁ)。作者の若者への熱いメッセージに溢れた本書は、誰もがどこかの(学級カーストの)シフトで体験した甘酸っぱい青春の一ページだ。冒頭2作品は特に熱く胸を撃った。
ドン・コルレオーネごっこの話は(少なくとも私には)ウケた。とっても。実際にこういう遊びをしている男子ってクラスにいそう(笑)
バスケットを描写したアンスポーツマンライクファウルは、改めてバスケットは文章化しづらいものなのだなぁと、痛感させられた。前二作と違い急に冷めた。野球だったら違ったのだろうか。でも野球にアンスポは無いからナァ・・・