*映画 いけちゃんとぼく

西原理恵子

あの西原理恵子(最近TVに出るようになって知名度アップ! でも以前知っている人は「どんな雑誌読んでるのwww!?」と疑われる漫画家だった)原作の絵本を映像化....ちょっと異色(ってか、「絵本描けるの!?」)の作品。
この原作の絵本が有名になったのは『ベストハウス123』で「泣ける本」ベスト1に選ばれたからだね。小規模な公開だったわりに話題性があった。
 感想:けっこう泣ける作品だった。だけど「泣ける」理由を、なんというかうまく説明できないんだ...例えば 1消灯するとあちこち妖怪が出てきて怯えるヨシオが、成長と共にだんだんといけちゃんに頼らなくなったり 2毎日いじめっ子に殴られるんだけれど、そこを男の理屈で乗り越えていくところや 3汚いけれど、成長するにつれ野グソが早くなったり(爆) 4ヨシオの父親(萩原聖人...ダメ親父イイ感じで熱演)が途中で亡くなるのだが、父親の死を通して大人の情理やそこに隠れる矛盾に失望を感じつつも、自分の中で折り合いをつけて成長したり 5ヨシオよりさらに貧乏で友達のいない子にヨシオが「飴食べたらカードやるよ!」って言ってナフタリン食べさせるような、意地の悪いとこも子どもならではのいやらしさで、多分誰もが「上に苛められてはそのウサを誰かに晴らした経験」を持ってるだろう... 特に4で親父の死からイタヅラにお涙ちょうだい路線でもないところも好感だ。
 いけちゃんとは何なの? 先に絵本を見てほしい。だけどその後映画を観ちゃうと感動は少ないし....あ〜 どっちが先でもダメだなあ! ちなみに童話だけれど子供向きではない。「男の子ってこういう風に成長していくんだ」ってことが分かる、おとなになった男性や小学生の子育てしているママあたりが、ターゲットの作品でしょう。

いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく