*『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス著 早川書房)

どこかで聞いたことのあるようなタイトル、映画化されたっけ....? と思いながら読み始めた本書。何のことはない、発表が1959年、さらに1966年に長篇小説として改作。映画化も主人公のタイトルで"Charly"(邦題『まごころを君に』)アメリカ、1968年 でクリフ・ロバートソン - アカデミー主演男優賞を受賞したらしい。知らなかった! さらに2000年にも"Flowers for Algernon"(邦題『まごころを君に』)で再映画化されている。
日本ではユースケサンタマリア・ 菅野美穂らで、でTV映像化してる。数字取れなかったらしい....^^;
この話はよくできているね。知的障害の気持ちって、健常者には分からないじゃない? どうやって知的障害者の気持ちになって、どうやって書いているか不思議だ。知的障害だから、知らずに済んだことや、友達でいられたこと、母親から捨てられたことなどがイッパイ出てくる。
手術によってIQ185の天才になったときに幸せになったこと(例えば妹との再会・長い期間を経ての仲直り)やアリス先生との恋、そして精神は未発達なのに頭脳ばかり良い人にありがちな失敗。
やがて訪れる、IQの衰退。元に戻る恐怖。『アルジャーノンに花束を』のタイトルの意味は最終ページに。読んでとてもとても悲しい話だった。このSFが(SFと言うジャンルになってしまう)、早く現実になり、元に戻る副作用もなくなる、そんな未来が早くきてほしいものだ

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)