*ラブストーリー集(肥田美代子が選ぶ) 学研

中学生のためのショート・ストーリーズ 3 肥田美代子が選ぶラブストーリー集

中学生のためのショート・ストーリーズ 3 肥田美代子が選ぶラブストーリー集

中学生向けの小品集だ。以前書いた「デューク」も掲載されている。寺山修司並に名言を探すと、「永遠の出口」より(森絵都作)
−「恋さえしなければあのまま、ずっと楽しいままでいられたのに・・・と、思うのだ。でも、そんなのは到底むりな話だったのかもしれない。だってあの頃は私だけでなく、そこいら中の誰もが恋をしていたのだから。まるで恋の女神が校舎の上空から投げキッスをふりまいているかのようだった。」

まさにこの表現は的を射ている。(どうして?)と思うくらいに、私達は人を好きにならずにはいられなかった。

高校時代はとにかく毎日が楽しくて仕方なかった。友人とのふざけあいも、文化祭などの行事も楽しかった。恋は喜びと切なさと哀しささえもつれてくる。
それでも人は人を好きにならずにはいられない。DNAの陰謀なのか、遠い遠い雄しべと雌しべの頃からの記憶なのかは分からないけれど。恋さえなければ、もう少し「心安らかに」なれただろうに、ね♪


永遠の出口 (集英社文庫(日本))

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