*ツナグ (辻村深月著)

metoo7s2012-06-24

「この本良かった! 読んでみて!」とお薦めしたい一冊。死者と生者をツナグ者、「使者をツナグ」と言う。使者と生者との再会にはいくつかのルールがある。1生きているときに使えるのは1回だけ 2死者も会えるのは1回、一人だけ。だからこちらが会いたくても、死者がすでにその権利を行使しているかもしれないし、本当に大切な人との再会のために「今回はパス!」するかもしれない。他にもあるが、まぁこんなとこ。
5つのパートからなる。1「アイドルの心得」2「長男の心得」3「親友の心得」4「待ち人の心得」5「使者の心得」
このうち、特に3と4が良い。どちらも泣ける。ただし、細かいルールなどを知るために1と2も順番に読んだ方がよいし、5でいくつのもの謎が解けていく。各パートも秀逸だが、全部まとめても良いデキになっている。
こういう小説にありがちな、あまりパッとしない女性や男性が主人公だったりするので、そうでない「勝ち組」の人が読んで共感できるだろうか。自分には分からない。でも共感できるハートを持って欲しいな、読後に涙が頬を伝うようなら、いいなって思います。3「親友の心得」4「待ち人の心得」には、弱い心、待ち続ける心、信じる心、など良く人間が描かれています。

ツナグ

ツナグ