*「偽装請負」(朝日新書)

偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

憤ること 
1 若者の将来に夢を与えるはずの学校(学校法人郁文館夢学園)の理事長をしながら、若者を搾取するブラック企業の経営者であること(ワタミ、おまえのことだ!)
夢のスイッチ あなたの夢の見つけ方

夢のスイッチ あなたの夢の見つけ方

2 第2代日本経済団体連合会会長の御手洗氏が社長を務める、キャノンで偽装請負の事実があったこと。従業員の給与を偽装請負で下げておきながら、自身の役員報酬を2倍近く引き上げていたこと
請負や派遣が原因で、年収300万円時代が本当に来てしまった。その所得の人口がこの10年で60万人も増加。ということは100万人以上の人間が(本来は正規で採用されていたはずなのに)ワーキングプア。そうなると、自然、自動車購買や海外旅行どころじゃなくなっていくだろう。内需拡大ならぬ、内需縮小へと向かうだろう。

土曜朝のTV討論に自民・石破と民主・前原が出演していたが、日本のデフレ原因・たとえば牛丼の価格下げの要因を、民主・前原は「人口減少が原因」と言ってる横で、自民・石破が首を傾げていたが、石破氏と全く同感である。まだ人口減少を語るには早いだろう。何をトンチンカンなことを。
年収300万から所得税・厚生年金・住民税・健康保険など天引きしたらいくら残る? 都会でアパート一人暮らしなら、もう途端にアウトだろ? 健康に悪くても牛丼食べるよ、そりゃあ。
かつて学生の就職セミナーで、最後に自分の娘が人材派遣会社(本体)に就職したと自慢した馬鹿講師がいた。そうか、こいつの娘は労働者が稼いだ銭を掠め取ることで潤うとこにいるのか、こいつらも日本国民の敵だな、と思ったら憤ってきた。一昔前なら「天誅!」と、斬りかかる奴がいただろうなぁ。
改めて朝日新聞特別取材班に感謝の気持ちを込めながら読み切った。