*『いまどきの「常識」』(岩波新書)

いまどきの「常識」 (岩波新書)

いまどきの「常識」 (岩波新書)

『まれに見るバカ女』で取り上げられた(香山リカ)が書いた『いまどきの「常識」』(岩波新書)を読み終える。最近、日本が右傾化してきていると感じる。「戦争を知らない世代が増えたり、身近に貧困が迫ると右傾化して戦争に至る」ことは数々の歴史が証明している。そしてとてつもない被害が起き、激しく反省し平和になるのだが、しばらくして元の木阿弥・・・・人間のバカさ加減にはあきれるばかりなのだが、彼女の著書に触れるとその思いはますます強く感じる。
特に誰かが声高に叫ぶと、周囲の者が「思考を停止したようになる」のはなぜだろう? 
P185に ”アメリカから「軍隊を持って普通の国になれ」という声に対し、そもそも「普通」「ノーマル」がそれほど素晴らしいことなのか。さらには、他の分野では「普通」の定義がどんどんあいまいになる中で、国家が「普通」になるという時の基準だけは明確、などということがあるのだろうか。”という氏の発言は重要だと思う。
国家や権力者が言うことに「そうだ!」と思うときこそ、(いや、ちょっと待てよ・・・・)と立ち止まり考えることはすごく大切なことだと思う。ましてマスコミが追従したときは、たとえ考えた末に同感だとしても、考えることは忘れてはいけないだろう。
こんな時代だからこそ、「左翼」とか「平和ぼけ」とか非難されているのかも知れない。しかし自由に物がいえなくなったら怖いよなぁ。氏には頑張ってほしいものである。