*「ロスト・シンボル」

ロスト・シンボル 上

ロスト・シンボル 上

ダン・ブラウンが書いた『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』に続くロバート・ラングドン教授シリーズの第三弾と言ったら何でしょう?
 こんなクイズがあって、(え? 三作目があるの?)ってすぐにwikiって本屋に行った。ご存じハーヴァード大学宗教象徴学(本当にそんなのあるの?)教授ロバート・ラングドン。今回は首都ワシントンD.C.が舞台。最近何かと話題の秘密結社(というほど秘密では無いが)フリーメイソンをめぐる謎を追う。相変わらず映画化をにらんでいるのか、上下巻の割に12時間でスピーディに事件は解決する。
独立後まだ250年も経っていないアメリカが舞台なので、いままでのように歴史が無く、(歴史上のミステリーはあるの?)と心配になるが、彼の作品には今回も
「『事実』〜中略〜作中に描かれた儀式、科学、芸術、記念建造物は、どれも現実のものである」
から始まっている。連邦議会の天井画の写真(「ワシントンの神格化」)や、有名なワシントン記念塔も写真に掲載され、そこが舞台になっていく。日本人でも知っている建造物だが、もちろんその意味や、天井に巨大な絵画が描かれているとかは知らない。行ったことのあるアメリカ人は、天井を見上げたりするのだろうか? その意味を知っているのだろうか? これを読んで驚いているアメリカ人も多いのだろう、きっと。ちなみに自分は日本の国会議事堂内部に入ったことは無い。
 アカデミー主演男優トム・ハンクスが演じるのだろうが、彼も歳をくった。これらの作品には必ず、相手の(科学者だとかの)女性が美人で一緒に謎解きに参加しつつ、惹かれあう(時にHしちゃう)のがお決まりだが、ちょっと最近は恋に落ちるのは無理なんじゃないか?と心配してしまう。
 前2作と比べるとワクワク感が少ないが、読んで損は無い。映画公開直前になると、「世界不思議発見!」などが番宣となって、売れるんだろうな...
ロスト・シンボル 下

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