*不思議なテイスト『推理作家ポー 最期の5日間』


不思議な小説家なものでどこからどこまでがフィクションなのか分からない。ググれば「ポー自身も謎めいた死を遂げた」とあるから、まんざら謎の死は嘘では無いようだ。「死の前夜には「レイノルズ」という名を繰り返し呼んでいた」あたりは、史実を元に大胆に脚本を書き上げた、ってところが真実なのかな・・・?
 現代の夜は異様に明るいという。「蛍光灯」様のおかげだ。江戸時代なぞは、もっともっと暗かったらしい。よく、旅先でホテルに泊まると明日の観光マップを眺めるのも暗い感じがする。あんな感じなのだろうか?
 その暗さが良く出ている。『Vフォー・ヴェンデッタ』でもジェームズ・マクティーグ監督は、独特の暗さが出ていた。その暗さの中で次々と謎解きをしていく。よくあの暗さの中で、死体に隠された謎を解けるな、と感心してしまう。主演のジョン・キューザックは年相応になったと、少し寂しい。刑事役のルーク・エヴァンスは旬な俳優で存在感がある。
 エドガー・アラン・ポーのことをググってから観ると、きっともっと楽しめそうだ。「そのほか科学的知見を取り入れた『アーサー・ゴードン・ピムの物語』などの冒険譚はジュール・ヴェルヌら後世のSF作家にも影響を与えている」などとは全く知らなかった。映画の後半でジュール・ヴェルヌが出てくるが、こういうエピソードを知っていると何倍も楽しめるだろう。