*『インフェルノ』(ダン・ブラウン著)

インフェルノ (上)  (海外文学)

インフェルノ (上) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

気づけば発売から半年以上・・・じっくり読める機会ができ、上下巻を数日で読み切る。出だしから(パートナーとなる)美貌の女性が出てきて、一緒に間一髪逃げ回りながら、次のヒント探しをしながら約1日で観光名所を巡る・・・そんないつものパターンが展開。
 「ダビンチコード」では奥深い謎解きと、(知っているようでその実知らなかった)キリスト教世界の衝撃。「天使と悪魔」でもキリスト教(特にカソリック)内部をえぐりつつ、「反物質」なる未知の物質を出してきて、その衝撃は「世界不思議発見」でも特集したほど。
 それらと比べれば、前作「ロスト・シンボル」、本作「インフェルノ」はスケールが小さい。それでもフィレンツェもヴェネェツィアにも無縁の人間には大変楽しめる。行く機会に恵まれた時には、普通よりより深く旅を楽しめそうだ。ラストの場面、イスタンブールだって行ってみたくなった。
映画「ナショナル・トレジャー」シリーズも1日で謎解きしながらお宝、発ケーン!となるのだが、テンポ良く1日で全てカタを付けなくても良いんじゃない?と思うのは私だけ・・・? 読みながら、「少しはしっかり寝て、頭をすっきりさせて謎解きしなよー。人類の存亡がかかっているんだからさぁ」と思ってしまう。1日に納める必要が(映画化前提の作品のようだが)あるのかな・・・??
 高校世界史の授業でチラッとだけ出てくるダンテの『神曲』(もちろん未読)。中世ルネッサンスや、その前提となった「十字軍遠征」をモチーフに作品が出来たのはなかなか面白い。下巻訳者後書きP325に「ダン・ブラウンが重要な作家である理由、9つ」に1ダンテに興味を持たせたこと。2文化的教養を深められたこと。6に様々な象徴の面白さに目を向けさせたこと。などがあげられているが、全くその通りだと思う。

ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 [Blu-ray]

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