*笑って泣けた『怪しい彼女』

しばらく韓国映画を観てなかったのはヘイトスピーチが原因なのでは無い。そんなことを言ったらインド映画だってフランス映画だって。
 そして話題になるほどの映画なのだから、たまーに観れば、それはそれは面白い。一昔前の松竹や東映の人情邦画を観ているようだ。
 「もしもタイムスリップできれば」「もしも若返る事ができたなら」・・・こんなテーマで数多の小説・映画が作られてきたことだろう。そして若返る事ができた後に思う事は、いつ元に戻ってしまうのだろう・・・?という恐れである。劇中主人公は微塵にも思わないが、ところがどっこい観客は、皆思っているぞ(笑)
 整形大国(もとから可愛い顔の女性が多いと思うんだけれど・・・)の韓国だから、やたら可愛くてダンスの巧いギャルがいっぱい出てくるんだけれど、「底が浅い!」と一蹴するプロデューサー(イケメン)。そこに若返って現れたおばあさん(オードリー・ヘップバーン好きゆえに、オ・ドゥリと偽名)が、めっちゃ上手に歌い上げる。何しろ身重で出稼ぎ夫が事故死、女手一つで育てた一人息子・・・底が浅いわけが無い。この歌が巧いんだよ、泣けるんだよ。言葉も分からないけれど、巧いもんは巧いわ。もちろん、イケメン恋に落ちる。ついでに同じバンドのギタリストからも好意をいだかれる(実の孫)。
 物語は韓国映画のほぼ王道。確かに終盤「Rh−の血液の方!!」と叫ぶシーンでは、(遂にこの禁じ手まで出てしまったかぁー(^_^;)と苦笑するしか無い。だけれど、おかしいよ。映画に必要な笑いと涙、そして感慨・・・うまく詰まっている。シム・ウンギョン、難しい役をよく演じました◎