*前編の盛り上がりは?『ソロモンの偽証・後編』

ソロモンの偽証 後篇・裁判 [DVD]

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藤野涼子役を演じた藤野涼子、当時実年齢とは思えぬ好演。しっかりと自分がある子は、しっかりとした顔つきなのは、そういうものなのかな。最低でも17才くらいに見えていた。(神原弁護人演じる板垣瑞生はいくつなのかな?)。死んじゃった柏木君だけが小学生のようだった。不良の大出君が、もろ高校生なので歳の差8才くらい違う中学三年生が一緒の変なクラス構成。 前半あれだけイイ感じになっていたのに、後半はなんかこうグダグダになっていく。私を含め、後半に期待していた人たちは悪い意味で裏切られた格好になった。柏木君は何かと「キミは口先だけの偽善者だ」ばかり繰り返していて、(難解な言葉を覚えたのが嬉しくてバカの一つ覚えの繰り返し坊や)にも見えるし、(お前、ずいぶん苛められてきただろう?)と同情したくもなる。自殺の前の行動も、唯一の親友を苦しめるだけの行動になっているし。
 作家の宮部みゆきは、本作を通じて、読者に色んな投げかけをしたかったんだろう。加えて、一歩間違えると大変な事になる人民裁判ごっこを中学生が実行するという壮大な試みにもチャレンジしたかったんだろう(しかし実際やるとなると大変なことになるし、マスコミがどんな手段を使ってでも法廷の様子をスクープして、一部分の面白いとこだけを切り取って滅茶苦茶にするだろうし)。
 なんかこう、無理に「感動物」にすることありき! で製作が始まったような感すらある。そこが最近の宮部みゆき原題篇では鼻をつく(感じがする)。地上波で金も払わず映画を観る私に物言う資格があるかどうかは分からないのですが。
ところでやたらアップシーンの多かった藤野涼子、劇中人物と同じ芸名の人をmetooは他に「早乙女愛」しか知らぬ。丁度今頃は受験も終わり、高校生活も落ち着いた頃だろう。心配だけれど、是非今後のご活躍を・・・!!