*「悲しみのイレーヌ」 ピエール・ルメートル著

 「その女アレックス」は衝撃的だった。事件を追うカミーユ・ヴェルーヴェン警部が低身長ながら魅力ある人物に描いており(さらに周囲を固めるスタッフも印象深く)、カミーユ警部シリーズ物となった本作にも興味をもった(ものの多忙故に読むのに時間がかかった)。
 インプレ、まずはグロすぎ。そしてタイトル「イレーヌ」はカミーユ警部の魅力的な奥さん(しかも今回身重設定)。あー、きっと狙われちゃうんだろう。猟奇殺人犯にどうか捕まりませんように、捕まっても間一髪で救出されるますように・・・と、序盤からフィクションとはいうものの願わずにはいられない。
 私は基本、「文学ってのは、グロでもエロでも図書館・図書室に置け!」ってタイプですが、さすがにこの本は、高校生も含めておかないでいただきたい。本著ではミステリー小説をまねての殺人事件が数件でてくるが、どこの国でも真似するバカがいそうだ。今回は読み終えても、なんかイガイガするんだ、これが。う〜ん、次回作どうするんだ?
 どうしようも無い喪失感→事件を通して出会う魅力的な女性(が、なぜに見た目パッとしないオヤヂに惹かれる?)→やがて恋が芽生えキズが癒えてくる・・・そんなストーリーには、耳かきいっぱいほどの魅力も感じないからな、先に言っておくけど!

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)