*『天使の梯子』(村山由佳)

たまにはラブストーリーを、と村山由佳を求めた。以前「天使の卵」を読んで、なかなか良かったのを覚えている。きっと「天使〜」シリ−ズがあるのだろう、なんて思いながら購入し、鶴見線を待つ間に読み切った。
 正直、誰かが死んじゃうとか、見ちゃあいけない携帯を見て嫉妬と後悔だとか、どこかで見たような既視感・既読感。少ししらけ気味に読んでいたんだが、終盤やっと気付く。(・・・これって「天使の卵」の続編なの・・・?)
 年上の女性を好きになった人が大人になって、丁度その年月を経て続編が出るのは、夢のある話だ。「一生恨んでやる」と言った少女も大人になって、自分もまた歳の離れた学生と恋に落ちて。
 最初こそ、元教え子との恋バナと読み進むが、これは傷を負った者たちの「再生」の話なんだね。こっちを先に読んで、「天使の卵」でも、今の若い人には良いのかも。自分が17歳くらいの時にこの本に出会い、大学生の恋バナを読み、25歳くらいになって、リアルタイムで続編を読んでいたなら、感動100倍だろう。丁度「恋人までの距離(ディスタンス) 」と、その続編を見た時みたいに。叶うならその主人公等と同い年なら言うことないね!