*『春を嫌いになった理由(わけ)』(誉田哲也)

 「ストロベリーナイツ」シリーズの著者、誉田哲也作品だ。骨太の作品を期待したがさに非ず。超能力者と中国からの密入国者がメインの中高校生向けの本だ。まぁいいか。
 エスパーのエステラは死体が見える能力を持ったエスパー。主人公はその通訳を務める現ニート。小中学時代、予知夢をトモダチに語ったが故に完全に仲間はずれにされた経験を持つ(そしてそれ以来ひっそりと口に出さないようにして暮らしている)。
 中国からの密入国兄妹の話は、未だ日本がGDP世界2位の頃の古き良き時代の話か。今でも危険を冒して密入国するのか?
 幾つかのエピソードが最後に収斂していくのは最近流行の映画のせいか? まあよく映画の脚本は収斂していく。物足りなさもあるんだけれど……まぁ仕方ないのか?