『午前中の雷はちょっと記憶に無い』

 待ち合わせでぼぉーと外を眺めていた
 そのビルから眺める南の空は雲が動きはじめていたけれど
 
 強くなってきた北風に驚いて北の空を眺めれば墨をたらしたようだ
 気付けば南に広がる小山を覆う森が今まで見たことも無い姿で笑う
 まるで西洋の映画のワンシーン 魔女が笑う こんなに笑うのかというほどに
 次には窓に当たる大粒の雨 今までの梅雨には不似合いなほど大きい
 やがて豪雨 強風に辺りは霞んで見づらい
 畑は泥の海だ どこから畑なのか区別が付かない

 やがて雷雨雲は去って行き 南に晴れ間が差し込む
 急に蒸し暑さがぶり返す これって梅雨の末期あるあるなんじゃ無いのかい