*「怪物はささやく」(A MONSTER CALLS)

ともかく不思議な本だ。パトリック=ネス著、原案はシヴォーン=ダウド、池田真紀子訳。シヴォーン=ダウドが癌で夭逝したため、あとをパトリック=ネスが引き継いだ作品。原題は「怪物が叫ぶ」 邦訳は怪物が「ささやく」、ちょっとニュアンスが違うかな・・・? 

怪物はささやく

怪物はささやく


この作品が、なんと今夏の中学生の読書感想文課題なんだそうだ。内容を要約すれば、
「主人公コナー家、前に生えてるイチイの木の形をした妖怪がある夜現れて言う
『私が3つの物語を語る。終わったら今度はお前が4つ目の物語を話せ。そのために私を呼んだのだから』少年コナーに呼んだ覚えはなく、3つの話を聞いたとしても語る物語は持ち合わせていない」
当然の疑問として、最後に話すべき物語とは・・・?
さらに第一の物語から、コナーと一緒に結末を予想しては裏切られる。そこで思う。(いったい怪物は何を話したいのか?)悩むことだろう。
母親が重病(どうやら癌のような・・・・)。母の病気と怪物の出現は関連があるのか?
深い話である。読み終えたときに、確認の為もあるけれど、もう一度ザッと読み直した(数時間で読み終える簡単な本である・・・・そこが中学生向けかな)。そこでまた(あぁ・・・そういう事だったのか!)と分かるのだが、色々な読み方もできるので、これで中学生に理解できるのか? いや、理解して欲しい!って気持ちも湧く。中三なら読みこなせるだろう。夏期講習ばかりでなく、頭脳に栄養の意味で、読んでごらん!
PS ちなみに読書感想文での、一番の関門は「本をいち早く買う(または借りる)こと」。図書館なら早く予約を入れておこう。日本中で買うわけだから、8月下旬だと、手に入りませんよ(笑)