- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 文庫
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個人的に知り合いのブロガーさん(MONOlogue【モノローグ:独白、一人芝居】)の好みが彼女なので、気にはとめておいた。よく行く図書館で、読みたい本で借りられる本が一巡した後に、もう古い作品となって本棚を埋めている吉本ばなな作品から1つだけ「哀しい予感」を手に取ってみる。タイトルがもの悲しいためか、はたまた最初の作品としては166頁という薄さのためだったかは、今となってはもう判断が付かぬ。
冒頭の文章表現から、女流作家の匂いがして、うろたえる。多少の後悔を感じながらも、先日読んだ高村薫同様にすぐに引き込まれた。そして喰わず嫌いを悔いた。24年前の作品、弱冠24歳の作品。多くの女性が彼女の作品を愛して止まない理由が分かる。
物語は、両親の事故死によって養女として育てられた主人公弥生と、おばのゆきのを軸として進む。養女だと言うこと、弟とは血が繋がっていないことを弥生は知らない。おば(実は姉)の失踪をきっかけに、軽井沢の別荘に捜索へ行き、そこで弟・哲生とキスをするシーンがある。その文章がこうだ。
「・・・・よりいっそう切なくさせて、涙が出そうになった・・・・あまり哀しげに輝いていたので、私は瞳を閉じ、私たちはキスをした。永遠のように長い口づけだった。
☆
するとしないでは何もかもが180度違うことが世の中にはある。そのキスがそれだった」
タイトルの「哀しい予感」が、小説のエンディングに向けて気分を暗くさせるけれど、実際のところは、読んで見てほしいと思う。
そういうわけで、1作置いて(すでに「SOSの猿」・伊坂幸太郎著を購入したので)吉本ばななを読んでみようと思う。年末まで・・・・2〜3は読めるかな。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: 単行本
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