*再読『死神の精度』伊坂幸太郎著

今度はこれでも読むか、と手にして電車内で読み始めて数分、一度読んだことのある作品と気付いた。それでもこの6つの短編からなる短編集の結末が思い出せず読み続ける。この作品のテイストは、伊坂幸太郎そのもの。伊坂幸太郎未読な人は、騙されたと思ってまずこれを読むが良い。読むのも難しくないし、展開が早くあっさり読み終えられる。
 そして「死神が何年も何十年も死なないで、自由に年齢を設定できる」と書いているにもかかわらず、幾つかの作品が関連性があることに突然気付かされるところは、何かのミステリーに近いような感動さえ覚える。読書が苦手な中高生あたりに読ませて、読書の楽しさに気付かせる1作だろう。

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)