*火車 HELPLESS

火車 HELPLESS [DVD]

火車 HELPLESS [DVD]

 宮部みゆきの『火車』を韓国で映画化した作品。「自己破産」した過去を持つ女性が、天涯孤独な女性を見つけ出し、その名前を乗っ取る。結婚直前まで行くが、クレジットカードの申請で「自己破産」の過去から、申請がおりない・・・・つまり乗っ取った女性も「自己破産」の過去を持った人だった・・・・!!
 小説では、その瞬間の驚愕がよく描かれていて、そこが秀逸。そのシーンのための全作品かとも思えるほどだ。(もちろん違うが)
 一方映画版は、申請がおりなかったと聞いてからの彼女の逃避劇と、理由が分からずに婚約者が逃げた原因を探す男(動物病院の医師)がよく描かれている。その医師の兄が汚職で辞めた刑事という設定で、彼女の過去を映画ならではの映像を使って(それは哀しい)過去をえぐり出していく。
 韓国映画は、久しぶりなのだが、いつもの例に漏れず、喜怒哀楽がハンパないので、ラストシーンに向かって医師の願いとは別にカタストロフィに突き進む。哀しいラストシーンに唖然とする中、ああ、これが韓国映画の神髄だよなぁと思い出される。それはもうタイトルのHELPLESSなんだよなぁ。
 日本原作の韓国映画は、他にも観たがそれはもうお薦めである。