*モテナイ男子に切ない「百瀬、こっちを向いて」

新聞映画評に載っていたが「良い評価」なのか「辛口評価」だったのか忘れた。いつものように当初は1.5倍速で「斜め観」していた。
 設定は少し強引だ。だがカースト下位のモテナイ系男子にありがちな、自己評価の低さ(2ポイント)や、友達タナベ君がやっぱりモテナイ系オーラ出しまくりで、この辺の描写は非常に良い。
 先輩の二股偽装のために、むりやり付き合う事になった高一の女の子"百瀬"には、早見あかりを起用。う〜ん、年上を使う事の多い高校舞台映画ですが、ちょっと薹が立ってませんか・・・。「ラーメン大好き小泉さん」で言うなら、早見あかりでは無く、美山加恋。こちらは実際にいそうなJKだ。何しろ設定が高一でしょ、ちょっときついよ。ミニスカでちょっと見えるかな?という場面が幾度も(屋上の手すりや、相原ノボル君の部屋でベッドに横になるシーンだとか)出てきて、ちょっと大人の太腿・・・をスタッフは期待したんだろうか? そういう映画なの? どうなんだろう? 視聴者の皆様のご意見を聞きたいところだ。
 叶わぬ恋が2つ。それでも恋していきたい、と願う少女の設定にしては(早見あかりは)大人すぎないか。そんな百瀬を「俺じゃダメかな?」と言って抱きしめろよ、って観客は思うんだけれど、そんうな男ならそもそも非モテ系じゃ無い・・・ってわけでもどかしい展開がやたらリアル。追いかけようとしてチャリンコ倒すとこや、そこにタナベ君が通りかかって何気ない言葉かけてあげたり、その後のドーナツ屋での会話など(おいしそうに非モテ系男子がチョコレートドーナツ食べるシーンなど)は秀逸だなぁ。

 ほおずきをあげたこと・その花言葉を知り、本人に尋ねる事・そして先輩の対応の仕方、などは非常によくまとめあげたなと、監督を素直に褒めたい。できることならラストはあれではなく、実際の講演会場に百瀬を見つけて後ろから声をかける・・・ことを期待したのだが、それでは陳腐なのかな。あのラストは、合点がいかない。ただしエンドロールに流れる音楽は(無名なアーティストだったが)すごく良かった。また聴きたいと思った。
 初恋は、思うようにいかず、甘酸っぱい記憶だけが残る物。そんな感じがよく出ていた。と同時に、観ている側にそのことを思い起こさせる映画であった。

百瀬、こっちを向いて。 [DVD]

百瀬、こっちを向いて。 [DVD]

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)