読む本が底を尽き、仕方なく本屋で手に取った本はmetooには珍しく女流作家、名は小野不由美。申し訳ない、不勉強なmetooには初めて聞く名前。裏表紙の紹介文に心動かされ、このキテレツな小説を読み始める。
最初は「ミステリー」なのか「ホラー」なのか戸惑う。その頃が一番楽しかったように思う。徐々に大量殺戮ものに変貌を遂げ、中国水滸伝のような風合いになっていく・・・そういうタイプの小説だったの???
とは言え、ラノベのように軽くない。特に周囲となじめない教育実習生広瀬と、神隠しにあって以来特別視される高里との交流を描いているようで、「向こう側」に行ける人間と「行けない人間」の葛藤を(後半、高里が自分は何者かと気付いた後は特に)上手に(しかし人間のエゴを重く・重く)描いている。
こういう世界観を描ける人が(男性でなく女性に)日本でも出てきたんだなぁ、それもmetooが知るずっと前にと、ビックリする。しかしこのシリーズ(ググれば、人間界ではない、向こう側からの視点で描いているらしい)を読み切るほど、この手の世界観慣れしてないなぁ。
- 作者: 小野不由美,山田章博
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/06/27
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