*『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』(村上春樹・安西水丸)

 

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか (新潮文庫)
 

 


 水丸師匠と春樹の関係が楽しい。何か安心する。水丸師匠の上手いんだか下手なんだか微妙な絵も良い。雑に描いているが、「これ春樹だな」、って一発で分かる。この関係がずっと続いて欲しかったな。
 エッセイの中身は今までにどこかで出会っているよなぁ? って既視感ある内容なんだけれど、毎度のことだけど気軽に読める。読みながら出来ることなら国分寺でジャズバー開いてた頃にお店に行きたかったなって思う。それから変わらぬヤクルト愛。metooは毎年必ず神宮には行くんだけれど、いつだか会えないモンかな。
 作品群だけれど、鵠沼海岸で「スバルの自動車キー」をみつける話がある。そこに(カップルが海辺を歩き、良い雰囲気になって、「さあラブホに行くか!」って段になってどうしても車の鍵が見つからない話)が出てくる。急にシラケちゃってる女性のイラスト入りで。こういうの自分もよく思う。そこに出てくる女性はイラストのような女性で無くてはならない。よく出来ていると思う。
 またその昔男友達と中央道経由で名古屋にナイトドライブしたことがあったけれど、本当に不思議なネーミングのラブホが幾つもあって笑えた。・・・の、ラブホのネーミングについても深い洞察があった。この本に未掲載だがmetooが知っているネタでは、多摩湖周辺にあった「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」だ。鏡~の方は予想が付くが、不思議~の方はどんなホテルなんだろう?
 また山梨県中央道付近には「ゴルフ」と言うなのラブホがある。これなんか職場で男性が「なぁ、今度ゴルフ行かないか?」なんて女子職員を誘っているんじゃ無いのか?
 このシリーズ、未読のものがまだ残っているといいなって思う。もう少し二人の掛け合いを楽しみたいから。