*「64-ロクヨン-後編」

64(ロクヨン) 下 (文春文庫)

64(ロクヨン) 下 (文春文庫)

 新聞記者も怖い。なぜに人は人をあんなに糾弾できるのだろう。横山秀夫原作本にはこういうクダリが入ってくる。殺人事件解決だけを主題において描いても十分面白いと思うのだけれど、そこにブン屋さんの意地やら、署内での階級闘争やらが入ってきて、重厚な物語にする・・・(でも少し疲れる)
 謎解きに関するヒントが、良い具合に散りばめられている(もちろんmetooはスルーしちゃっているんですけど)。
キャストは邦画としては、すごく張り切っている。スゴイ人ばかり出ている。渾身の一作だ。中でも永瀬正敏の演技が良い。女の子を家まで送るシーンの演技は、永瀬ファンからすればいたたまれないのでは?と心配するほどの演技だ。その女の子が大泣きするシーンは、決して上手とは言えないものの涙を誘う。
 大作を「前後半」に分けて製作する風潮が内外で高まっているけれど、昔の松竹のように、3時間ドラマで作ってくれてたら、映画館に足を運んだろうなぁ。最初から前後半だと、BSか地上波に頼ってしまうmetooみたいな者も多いんじゃないだろうか。勿体ない話だ。分けてやるならやるで、上巻を上映しつつ下巻も上映してくれればすぐに見るのになぁ。
64-ロクヨン-後編 通常版DVD

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