*話題作でした『メッセ−ジ』

映画館の予告映像が良いデキで、新聞の映画評でも悪くなかったんだけれど、CG使ったSF映画は最近裏切られてばかりなので映画館鑑賞はしなかった。
 序盤、家族の物語は謎が残されたままポンポン進む。しかし謎の物体が来てからは、何とももどかしく、自宅でゆったり観ていると気を失いそうだ(そんな時は、しばし停止してピョンチャン五輪を見て正気を取り戻していた)。
 中盤、タコみたいな生物が出てきた時は、マヂで気を失いそうになった。映画館ならここで退席したかもしれない。しかし終盤にかけて、(あぁこういう脚本だったんだ)と、ひねくった脚本に(なるほどね)と多少感心する。
 序盤娘を失った主人公が言った「時間が流れていない世界がある」みたいな台詞が、キ−ワ−ドとして(喉に刺さった小骨のように)どこかに突き刺さっているからだ。要はこの地球外生物は、時間の流れに囚われない生物だという前提で成り立っている(しかしそうなると、C4爆弾の被害で、死の直前にある生物はなぜに予測できなかった? という矛盾に突き当たる)。
言語学者を主人公に持ってきたのは面白い。その役にエイミー・アダムス。物理学者だったか?にジェレミー・レナー。この人はアカデミー作品賞受賞した『ハ−トロッカ−』からメジャーになった人だが、この人が全然目立たない。普通、この二人は恋に落ちるでしょ。どういうこと? って思っていると、あぁそういうことなんだ。
 ラスト15分くらいで謎がどんどん解けていく映画だが、どこかに矛盾が転がっているかもしれない。もう一度じっくり観直してみる必要がある映画かも知れない。